2012/10/17

ハートのエネルギー(愛、布施の心)を掌に!=その1=


中日新聞プラス 達人に訊け!

和気信一郎の気功流癒しのテクニック~癒しの気功法~
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ハートのエネルギー(愛f、布施の心)を掌に! =その1=2012/10/1

先月の記事(9/10分)の中で、気功の必需品である「気のボール」の作り方についてお話させて頂きました。今回と次回は、それを更にパワーアップさせ、本当の意味での「癒しの気」、「癒しのパワー」を作るテクニックについてお話させて頂きます。

テクニックなどと言うと薄っぺらな感じになりますが、中身は心のこもった深い内容なんですよ。

【気には強さと質がある?】

私たちは生きている限り、誰でも気を発しています。雰囲気という言葉が示すように、私たちは常に「いのちのパワー」としての気を周囲に水蒸気のように漂わせているのです。

その「気」を感じて、生気があるとか元気がないとか、或いは、オーラがあるなどと表現しています。しかし、その言葉は、「気」のパワーの強さだけを示している訳ではありません。

そこには「気の質」も含まれているのです。その人の傍にいて、ホッとする人もいれば、傍にいるとイヤな気持ちになる人もいると思いますが、それがその人の「気の質」なのです。

そして、癒しにとって大事なのは、勿論、「気の質」です。では、「気の質」は、何によって決められていくのでしょうか?

【気の質は心の質?】

東洋医学においては、病を起こす条件の一つに、喜怒哀楽という感情、心の動きを入れています。

・激しい怒りの感情が強すぎると、肝臓や内分泌系に異常を起こします。
・大はしゃぎするような喜びの感情は、心臓や精神に異常を起こします。
・あれやこれやと思考を巡らせ過ぎると、胃腸などの消化器系を傷めます。
・悲しみや憂いが深すぎると、胸がつかえ、呼吸器系にダメージを与え、気持ちを塞いでいきます。
・恐れや驚き、不安などが度を超すと、免疫系の働きを失わせていきます。

これらが科学的かどうかは別にして、心の働きが私たちの体に影響を与えるということは、私たちの日常生活の中で、例えば、緊張すればトイレが近くなるとか、人前で何かの発表をしようとすると心臓があぶり、顔が蒼白になるとか、ショックなことがあれば食欲がなくなるとか、枕が変わると眠れなくなるとか、旅行などに出掛けると便秘になるとか下痢になるとか、ショックが強すぎる場合には髪の毛が真っ白になってしまうなどというように、様々な事例でお分かり頂けると思います。

そしてこれらの感情や心の働きの中で、激しい感情、心の動きは、自分の体を傷めつけるだけでなく、雰囲気として周囲に発散し、周りの人たちをイヤな気分にさせ、その人たちの体にも影響を与えていくのです。

ですから、癒しということを考えた場合、心の安定、心の静まりといったものが、如何に大切かということがお分かり頂けると思います。癒しの気には強さと同時に質が求められるのですが、良い質の気は、心を静め、安定させることによってもたらされるのです。

釈尊(通称、お釈迦様、正しくはゴータマ・ブッダ)が伝えた教えの中に、次のような言葉があります。

 こころしずかなり
 語(ことば)おだやかなり
 行ないもゆるやかなり
 この人こそ
 正しきさとりを得
 身と心の安らぎを
 得たる人なり
(法句経96…松原泰道訳)

そして、身と心と言葉を調えるために八正道という調え方を説いています。しかし、私たちは仏教を学ぶ訳ではありませんので、ここでは、気功的な心の調え方についてお話しておきましょう。

【気功流調心法】
何かことに当たった時に、つまり、怒りがこみ上げてきたり、パニックになりそうだったり、不安や悲しみに押し潰されそうになった場合、次のようなことをしてみて下さい。

・両手の指を組んで前頭部に当て、息を、口の奥から、ゆっくり静かに三回から五回ほど吐き出してみる。
・同じように、組んだ手を後頭部に当て、肘を張り、頭を掌にもたれ掛けるようにして、ぼんやりと頭の中を感じてみる。
・その時に、心の中で、「わたしは大丈夫、わたしは大丈夫!」と、ゆっくり言い聞かせていく。
・最後に、両手や気のボールを胸板に当て、胸の中を温かくし、その体感に没頭してみる。
・胸がツカエた感じがしてきたら、大きく息を吐き出すようにする。
などです。とにかく、

・わたしはわたし、わたしらしく生きていくということ、
・他人と比較したり競争したりしないこと、
・等身大で物事に当たること、
・無理して背伸びをして自分を追い込まないこと、
が大切です。

今回は、心を静め、安定させることが「癒し」の基本であるというお話をさせて頂きましたが、次回は、本当の意味での「癒しの気」、「癒しのパワー」を作る具体的方法についてお話させて頂きますね。



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